【早稲田⇒東大】仮面浪人体験記

一浪東大0.6点差落ちが、早稲田理工で仮面浪人し、ドイツ語を使って東大理一に受かったお話

Episode 4: 早稲田での仮面浪人を決意するに至った経緯

後期試験終了後、親・友人・河合のチューターさん達に相談しながら、進路を検討した。

純粋二浪は最悪今年合格した大学も不合格になって三浪となるリスクがあることから却下。本来なら北大or早稲田の二択になるはずであったのが、「0.6の呪い」のせいで、

  • 北大進学(仮面はきっぱり諦め)
  • 仮面はせずに早稲田進学
  • 仮面しながら早稲田に普通に通う
  • 早稲田に籍だけ置いて通わず仮面

と選択肢が増えてしまった。

 

だが、今から思い返すと、この時点で東大を受けることはほぼ決めていたように思う。その理由は主に以下の3つ。

仮面しようと考えた理由

理由①:学歴コンプレックス

色々理由を取ってつけたくなるが、結局は私は典型的な”東大コンプ”だったと思う。ただし、「東大」自体に未練があったというよりも、「東大入試」に未練があったという言い方が正しい。このまま早稲田に進学すれば、現役時に早稲田は受かっていたので、国語・センター社会の勉強、そして浪人1年間の全ての勉強が無意味だったということになる。すなわち、先行投資に対する対価が得られていない状態。理二とはいえ色々な不運が重なり0.6点差不合格ということは、今の学力を維持した上でドイツ語差し替えを利用すれば、もう一度受ければ60%くらいの確率で理一に合格するのではないかと考えていた。以上のような状況で、今更東大を諦めるという選択肢はとてもMOTTAINAIように思えた。

理由②:金銭面

まず私の家計に関して。両親の収入は、東大生の中ではかなり低いランクに位置するが、世間一般から見れば非常に恵まれていた、といったところだと思う。高校までは何不自由なく生活させてもらえたし、先行き不透明とはいえとりあえず私立の早稲田への進学を認めてくれた。

しかし、金額を書いていいのがわからないのでざっくりとした値であるが、東大と早稲田で年間授業料は120万円程度異なる。理系なので大学院まで進んだとすると700万円以上の差が出る。奨学金やアルバイトで賄うにも限界があるし、出来れば貸与型の奨学金は利用したくはない。となると、やはり仮面してでも国立の東大に、という気持ちになる。1年余計に浪人すれば生涯年収は減ってしまうが、大事なのは当面のやり繰りということで背に腹は代えられない。

理由③:課外活動

部活・サークルに関して。私は中学の頃からある競技に取り組んできたのだが、その部活・サークルに関しては東大の方がかなり実績が高く、その競技を大学でも続けたいと考えていたので、やはり東大に行きたかった。

 

一点補足すると、「『東大』自体に未練はなかった」とあるように、正直学業の面では東大と早稲田で大した差はないだろうと考えていた。第一希望の専攻・分野に関しては東大・早稲田共に環境は充実しているように見えたし、在学中に学べることも、就職も大して変わらないと思っていた。むしろ、母集団のレベルが上がり、進振りや院試がある分、東大の方が入ってから大変だとも見込んでいた。

しかし、上記3つの理由、特に東大コンプが大きく、頑固な性格も災いし、心の中ではどんな形であれもう一度受験しようと決心していた気がする。

 

ということで、とりあえず早稲田に進学することは決めた。

普通に通う or 籍だけ置く

ただ、早稲田理工の制度上、研究室配属の3年⇒4年時以外は「留年」という扱いは存在せず、1年で1単位も取得しなくても一応2年には進級してしまい、卒業要件に達しなければ5年生、6年生に進む、というあやふやな感じになっている。よって、仮面に失敗して復学したときに、扱い上は「2年生」となってしまい、馴染むことができず真っ当な大学生活を送れない可能性が高いと考えた。

(なお、「他大学受験のような復学を前提としない休学は認められません」(早稲田大学 理工学術院 ホームページより)とあるように、早稲田に関しては仮面のために休学することはできない)

また、

  • 大学に通わないのに高額な学費を払う必要がある
  • 仮面に失敗したら一留確定
  • 二外差し替えを使いづらい

等のデメリットもあり、籍だけ置く作戦も却下した。

 

以上のような経緯から、とりあえず単位をしっかり取得することを最優先にして真っ当に早稲田に通いながら、仮面に失敗して引き続き早稲田に通うことになっても大丈夫程度には交友関係・リアルを楽しみ、余裕があれば東大を受験する、というスタンスで早稲田理工に進学を決めた。

もちろん、早稲田理工が素晴らしい大学なのはわかっており、実際に通ってみて「もう東大受けなくていいかな」と気が変わるくらい早稲田ライフに満足すれば、その時点でめでたく受験生活終了となる。

 

補足

金銭面(仮面浪人中のアルバイト)

アルバイトは一切していなかった。大学生活に受験に加えアルバイトとなると、全てが中途半端になって破綻が目に見えていたこともあり、私立の1年間の学費は全面的に両親に面倒を見てもらうことになった。その代わり、翌年以降はアルバイトなり奨学金なりで、出来る限り大学関係の費用は自分で賄ってくれ、という条件だった。支えてくれた両親には頭が上がらないし、自分の甘さを痛感するばかりである。

 

二外選択

早稲田理工での第二外国語選択は、東大とは異なり、制度的に自由が大きい(2年生で履修したり、2種類の言語で所定の単位を満たすことも可能)ので、必ずしもすぐに1つに絞らなくても良かったのだが、3月の時点で「ドイツ語」に決めていた。これは、まず差し替えで選択可能なのが「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「朝鮮韓国語」のみで、早稲田理工には「朝鮮韓国語」の授業はないので、3つに絞られる。そして、差し替えの各言語の難易度について、あくまでネット情報では、ドイツがもっとも点を取りやすいと知ったからである。そして、東大受験を見据え、ドイツ語だけはちゃんと勉強しておくと決め、新学期を迎えた。